連続相続における相続税の相次相続控除
当然ですが、人はいつ死ぬか分かりません。例えば祖父が亡くなった後、松原で家族葬を行う直後に父を亡くすことがあります。その場合、相続税の観点で見ると、祖父の遺産に対する相続税を父が納付し、父から引き継いだ祖父の遺産に対して子供が相続税を納めるという、二重納付の形になります。そこで、相続税法では「相次相続控除」という軽減制度が設けられています。
●相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)
一次相続後10年以内に二次相続が発生した場合に、相続税の金額から一定額を差し引けるのが相次相続控除です。最初の相続から次の相続までの期間が短いほど控除額が大きくなります。
●相次相続控除の適用要件
相次相続控除が適用されるのは、以下の3つの要件を満たした場合です。
1.二次相続の相続人である。
前提として、二次相続の相続人であることが必要です。相続人でない人が遺贈された場合や、生命保険金を取得したことで相続税の納税義務者となった場合は相次相続控除の対象外です。
2.一次相続からの期間が10年以内である。
一次相続から二次相続までの期間が10年以内でなければなりません。
3.一次相続で相続税が納付されている。
一次相続での相続財産に対する相続税が納税されていることが前提です。例えば、一次相続において父が祖父から遺産を相続した際に、相続税を納付していることが条件です。なお、父の遺産を母が相続し、母が亡くなった二次相続の場合に、母が配偶者軽減などで相続税を納めていないと、相次相続控除はありません。